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児相被害者の貴重な一票は、被害を救援し家族の絆を取り戻す政策を呈示する政党に!

2021年10月19日告示、31日投開票で、4年ぶりの衆議院議員総選挙が行われます。
各党ともに、「子ども、子育て」を政策の重点課題に据えています。しかしそれは、児相被害者の立場をきちんと理解し、被害者を救い、家族の絆を取り戻してくれるものでしょうか。
国際社会では、実親(生物学的親)がprimaryに養育を担う義務と権利があり、子供を親から引き剥がして行う代替的(社会的)養護は最後の手段かつ最短の期間にとどめることが、重要な人権規範として認められています。ところが日本では、児童養護施設など社会的養護業界の利権確保・拡張のため、それと180度真逆の政策が、厚労省によって既に四半世紀近く続けられてきました。これは、国際人権規範に著しく反するものであったため、2019年の国連子どもの権利委員会対日総括所見(以下、国連勧告といいます。)において、厳しい批判と改革のための緊急勧告が発出されました。
各党は、これをどう受け止め、児相問題をどう解決し、それによって児相被害家族を救援してこうとしているのでしょうか。各党の総選挙に向けた政策を、検討し評価してみましょう。
(なお、政党の掲載順は、各党が解散時に衆議院にもっていた議席数の順位としています。)

自由民主党: 全国遊説の高市さんに、児相被害を積極的に訴えよう!

「こども庁」で一躍世論の関心を集めた自民党。しかし、「こども庁」が、「福祉」の皮をかぶった新自由主義的な子ども商品化政策に過ぎないことは、このNEWSの別の記事で明らかにした通りです:

Screenshot of hit-u.ac

ところが、その後行われた自民党総裁選挙で善戦した高市早苗さんが、こども庁に慎重な姿勢を示したことで、状況はかなり変わりました。高市氏は、家族の絆の重要性をかねてから認識しており、2012年に「家族基本法」構想を示していました。自己の信念がぶれないことで知られる高市さんは、山田太郎氏らが主催した総裁選のこども庁討論会には出席せず(ウエブで参加)、「こども庁」に慎重な立場を明言しています。
Takaichi 総裁選後の人事で高市さんは党政調会長となり、自民党の政策立案に深く関与できる立場となりました。その高市さんが連日徹夜で加わってまとめた政策が、『自民党政策BANK』 として公開されています。
それを読むと、「こどもまんなか基本法」の制定、そして「妊娠・出産から子育てまで、全ての親子を対象に一体的に支援する拠点を全市町村に創設」する、とあります。ここで注目すべきは、自民党の政策が「拠点を創設」する、という表現を用い、あえて既存の「児童相談所」という行政機関の名称を避けていることです。「創設」とは字義通りならば全く新しく作る、という含意であり、国連勧告24項が日本に求める、(児童相談所ではない)「⼦どもにやさしい機構の設置」を意味しているものと理解することも可能です。ただし、政策文中には、全体として、子どもの権利条約、ないし国連勧告への言及はありません。
自民党の政策は、民法822条「懲戒権」の見直しについては、一切触れていませんが、。高市さんは、2007年4月26日に開かれた衆議院「青少年問題に関する特別委員会」(木曜日))で、「民法には懲戒権というものが定められております。これは、子供の非行を防止したり、また矯正をするというようなことで親に与えられた…権利」である、として懲戒権を肯定しています。
今後、高市さんが自民党の中でさらに政策の発言権を強めるならば、自民党は児相被害者にとって有力な味方となってくれそうです。高市さんは、選挙期間中、奈良2区の選挙区にはほとんど帰らず、自党の候補者支援のため、遊説で全国を回られるそうです。お近くに来た時、高市さんに、ご自身の児相被害と家族を破壊された体験を、しっかり高市さんに伝えては如何でしょうか。それによりきっと、今後自民党の政策が児相被害者の方を向いてくれる可能性が高まるはずです。

立憲民主党: 児相増設を唱え厚労省の利権政策の引き写し、新味はゼロ

edano立憲民主党は、「中核市および特別区について、児童相談所を必置とします」「児童福祉司を増員し、配置基準を人口2万人当たり1人にする」などと、児童相談所の増設・拡張に異様に熱心です。流石、児相職員を含む公務員の組合の支持を受けているだけのことはあります。つまり基本的に、立憲民主党は、子どもたちや家族の味方ではなく、家族に平然とハラスメントを加えることがしばしばな児相職員の味方なのです。
児童相談所が国連子どもの権利委員会からも事実認定された人権侵害を繰り返している事実を、立憲民主党はまったく顧みず、児相拉致の投網をさらに拡大することを公言しているのは驚くべきで、厚労省の走狗と言ってもいいくらいです。
「児童虐待を受けた子どもたちの保護と虐待防止対策を進めます」と政策文書は言いますが、その児童相談所職員が、収容所(一時保護所)内で行政的虐待や猥褻行為など、子供の人権侵害を繰り返していることが、立憲民主党の眼には見えないのでしょうか。
さらに、「関係する民間団体との連携と支援を強化します」として、特別養子縁組などに関し児相と癒着したNPOなどの強化まで唱えています。これらの「民間団体」のなかには、ソーシャルビジネスを標榜し、子供たち、とくに新生児を金儲けの手段として使っている団体があることは、よく知られる通りです。まさに、このような団体の利益を考えたのかどうか、立憲民主党の政策は、児童相談所の相談業務の対象に妊産婦も含め、若年妊娠など出産前からの相談体制を整備し…他の行政機関や民間団体との連携を強化」、「特別な事情により希望する人が匿名で出産できる制度を検討します」と述べています。これは、「特定妊婦」を明確に児相の対象と位置づけ、妊産婦を匿名の人間製造工場に貶めて、特別養子縁組を行なうNPOが子供を仕入れやすくする条件を整えるものにほかなりません。匿名出産は、出生後の子供が大きくなった時、自らの出自を知る権利を子供から奪うもので、重大な子どもの人権侵害です。
凶悪虐待事案に児童相談所が役立たずであることは、すでに数多くの虐待死事案が繰り返されてきた事実で既に立証済みです。凶悪虐待事案撲滅のためには、刑事事件として警察が中心に取り扱うことが有効と考えられますが、立憲民主党は、「児童相談所と警察の間の情報の共有に関する協定の締結を促します」と述べるだけで、いぜん、これに児相を絡ませようとしています。これでは、悲惨な虐待死がこれからも発生し続けることは疑いありません。
役に立たない児相の利権をさらに拡大し、「親が教育等に必要な範囲で子どもを懲戒できるという民法822条の「懲戒権」規定を早急に見直します」としています。軽微事案での児相拉致を正当化する法的障害を除去すれば、軽微・冤罪事案での拉致が強まるだけです。
政策は、一応「子どもの権利条約にのっとり、子どもの権利と最善の利益を最優先とする子ども中心のチルドレン・ ファーストの政策を実現します」と書いていますが、このように政策の具体的内容を見ると、立憲民主党は、実家族により養育される子供の権利と子の最善の利益を以て養育する親の義務という子どもの権利条約の精神を実現しようとするものでは到底なく、利権にまみれた児相拡張政策そのものなのです。
このことから、立憲民主党が政権をとれば、児相被害家族への人権侵害も、また虐待死させられる子供たちも救うことはできず、特別養子縁組に送られる子供たちの人権は護られず、母親は人間製造機械に、そして生まれた子供は血のつながりを無視された商品に貶められます。一方的に肥大化する児相による市民への人権侵害が深刻化することは、火を見るより明らかでしょう。

公明党: 虐待予防・在宅支援、一時保護での司法審査導入などで一定の改善策を提言

児相拉致の投網拡大に伴い、創価学会員にも、児相被害を受けたご家族が多数生まれるようになってきました。このためかどうか、公明党は、児相問題を意識して、その解決に一定の積極性を示しています。
公明党の政策を見ると、「司法関与の強化を含めた一時保護の適正手続の確保」と、「初回」という明言を欠くとはいえ、国連勧告29(a)で緊急勧告がなされた「一時保護」の際の司法審査導入を政策で明言しています。とりわけ、日本国憲法31条が定める「適正手続(due process)」の法律用語をここであえて用い、それを「一時保護」に適用することを明確に求めている点が重要です。
「処遇の質の向上」とは、刑務所並みと言われる児相収容所の環境改善を求めるものでしょう。当面、改善が必要なのは当然としても、国連子どもの権利委員会は、児相収容所の全面廃止を求めています。長期的には、廃止を主張すべきところでした。
また、児童虐待について、#189で市民に密告させて児相拉致し、親から分離した子供を一方的に児童養護施設に送るだけという人権侵害の現状を改革するため、「虐待予防」を政策の中に据え、「市区町村における在宅支援措置制度」創設を通じて、施設送りではなく在宅支援で親子の絆を維持しつつ虐待防止を図るという政策の方向を示しています。
しかし公明党は、民法822条の懲戒権については「民法上の親が子を戒めることを認める「懲戒権」の在り方を見直します」と明記し、家庭で親が子を戒められないようにしています。しかし、立憲民主党の節でふれたように、これは、児相による軽微事案を口実にした拉致と親子分断を促進するものであり、安易な見直しはなされるべきではありません。
また、「里親や特別養子縁組等家庭養護を優先する」としていますが、特別養子縁組や里親は、あくまで代替的(社会的)養護の一形態であり、国際人権規範において第一義とされるべき実親による養育とは異質のものです。公明党の政策ではこの点が明確ではありません。
このような不十分さがあるとはいえ、公明党の政策には、児相被害者が提起してきた問題に一定の配慮を見せています。公明党は政権与党ですから、総選挙後は、初回の「一時保護」のさいの司法審査導入実現や、拉致という親子分離ではなく在宅支援の拡大など、児相行政の改革に、ぜひとも尽力していただきたいものです。

日本共産党: 児童相談所の「体制強化」政策の老舗、国連子どもの権利委勧告を無視

 日本共産党は、旧ソ連の集団主義養育の影響を受けて、子供を家族から切り離し社会的養護に送り込むことに積極的な方針をとってきました。このため、その「取児口」としての機能を果たす児童相談所の体制強化にも大変熱心です。これまで、このことで何度も国会質問を繰り返し、厚労省とエール交換をしています。児相被害に遭ったとき、被害家族はしばしば児相を管轄する議員に救いを求めますが、共産党の地方議員は、ほとんど児相被害者に冷淡な対応をとることが知られています。
今回の総選挙に向けた政策においても、共産党は、「児童相談所…専門職員の養成と相談員の増員、相談所の増設など抜本的に拡充します」と、従来の児相拡充強化路線を踏襲し、また「社会的養護の環境を改善・拡充します」と、児童養護施設で施設内虐待や向精神薬投与など人権侵害が横行している事実を無視して、票田への利益供与政策に余念がありません。
また、共産党は「虐待の根本にある貧困と社会的孤立の解消に力を入れます」と述べますが、近年は、「教育虐待」と称して、貧困でもない中・高所得家庭の子女も見境なく児相は拉致を進めています。「児童虐待」を「貧困や社会的孤立」と結びつける教条主義的な認識は、児相問題の根本を覆い隠すものです。
なお、この度の共産党の政策には、子供の権利条約も国連勧告も言及されていません。以前は、国連勧告等をことあるごとに錦の御旗としてきた共産党ですが、児童相談所に厳しい緊急勧告がでて、都合が悪くなったので、もう言及を止めたのでしょうか。そうだとすれば、余りにご都合主義的です。

国民民主党: 全くの勉強不足

国民民主党の政策文書で、児相問題に関する記述は、わずかしかありません。
そのなかで、「しつけと称する虐待を防止するため」、親が教育等に必要な範囲で子どもを懲戒できるという民法の規定を早急に見直します」と、懲戒権廃止を積極的に強調しています。
そして、児童相談所による人権侵害は全く顧みず、「政府のプランよりも児童福祉司を各児童相談所につき1人増員します」と、数だけで政府と競うというレベルの低さを示しています。
おざなりな政策であり、責任ある政党となるためには、もっと児相やそれが惹き起こしている人権侵害について、勉強が必要でしょう。

維新の会:串田代議士の知見が、殆ど政策に生かされていない

維新の会は、一時、串田誠一代議士が児相問題について法務委員会で国会質問を度々行ない、児相被害者の関心を呼んできました。このため、維新の政策は児相被害者の立場を反映したものになっているのではないかと期待が高まるところです。
Kushidaそこで政策を見ると、「重大な児童虐待を撲滅するため、弁護士等の専門家を常駐させるなど児童相談所の機能強化と、ニーズに応じた機能分担を推進します」とあり、児相弁の常駐を唱えています。しかし、児相弁は児相の意向を代弁する機能しか果たしておらず、事実、広島県西部児相では、児相が無理やり貧困な家族から引き剥がした子供が、親を慕って収容所内で自殺する事件が起こりました。そこでは、児相弁の存在など何の歯止めにもなりませんでした。児相への弁護士常駐は、児相の人権侵害をサポートはしても、真に子どもたちの利益を増進させる役には立たないのです。
更に維新は、「特別養子縁組の促進や里親委託率の向上のため、自治体や民間支援団体との連携を強化します」と政策を出しています。しかし、特に特別養子縁組が子どもの人身売買になっている問題には、何の考慮も払われていません。
児相収容所について、「混合処遇を廃止し、義務教育を受けられない保護児童は原則通学できるよう子どもの保護環境を改善します」とあります。児相収容所からの通学は、憲法に保障された当然の権利を子どもに保障するものですが、児相収容所はそれ以外にも施設内虐待や猥褻行為など、人権侵害を多数惹き起こしていることが国際社会に知られており、それゆえ国連子どもの権利委員会は、児相収容所の全面廃止を求めました。人権侵害を行なう社会的養護機関の廃止は、それ自体が国際標準です。それから見ると、維新の政策は、公明党同様、国際人権規範から見ると不十分です。
維新が「子ども庁」について、「組織ありきの議論には与さ」ないと述べている点は注目されます。しかし、「予算枠を財務省の取りまとめから独立させ、 GDPの一定割合を必ず子どものために配分する等と定め」るという政策には、大きな問題があります。こうなると、予算枠すなわち私たちの血税のかなりの部分が、その必要性についての審査も無く、掴み金のように、子供に関わる利権集団に流れてゆくことになるでしょう。児童養護施設など、子供に関わる利権には指一本触れず、予算だけを確保しようとする政策は、はなはだ疑問です。
このように、維新の政策には、一定の評価点もありますが、大きな問題点も併存しており、児相被害者の立場から、政策をより整合性あるものにさらに精緻化していくことが求められています。ここに、串田代議士の知見を、是非とももっと取り入れて頂きたいものです。

れいわ新選組:我が子を奪われた一人ぼっちの児相被害者を見捨てるのか?

れいわ新選組(以下、れいわといいます。)は、国連勧告発出の直後、2019年5月に山本太郎代表自らが京王線明大前駅前での街頭演説会で国連勧告の完全遵守を約束し、その動画が出回って、児相被害者の期待を集めました。しかし、この度の総選挙の政策を見ると、児相被害者は、裏切られた思いにかられます。
Yamamotoれいわは、「何があっても心配するな。 あなたには国がついている」と言います。ですが、この「何があっても」のなかに、児相による最愛の我が子の拉致は含まれているのでしょうか。「私たちは最後まであなたを見捨てない」と言いますが、我が子を児相に奪われた被害者も見捨てないのでしょうか。
れいわの児童相談所ならびに社会的養護に関する政策は、その文章の長さに関する限り、他党の追随を許さないものです。国際人権規範についても、子供の権利条約だけでなく、国連決議「子どもの代替養育に関する指針」(以下、国連指針といいます。)まで言及されています。しかし、これらの人権規範が正確に理解されているかどうかは、別問題です。
れいわの政策は、国連指針(れいわの政策文書では「ガイドライン」と表記)について、「社会的養護下にある子どもを施設に収容するのは『最終手段』と定められており、海外では拡大家族(extended family)による養育や養子縁組・里親養育が多くを占めます」と書かれていますが、これははっきり誤りです。国連指針14項は、「児童を家族の養護から離脱させることは最終手段とみなされるべきであり、可能であれば一時的な措置であるべきであり、できる限り短期間であるべきである」と規定しています。つまり、家族の養護からの離脱そのものが「最終手段」なのであって、離脱先が施設であるか里親であるかは問いません。
そもそも「家族の養護」とは、国連指針第3項で「家族は社会の基本的集団であると同時に、児童の成長、福祉及び保護にとって自然な環境であるため、第一に、児童が両親(又は場合に応じてその他の近親者)の養護下で生活できるようにし、又はかかる養護下に戻れるようにすることを目指して活動すべきである」と規定されています。ここに書かれている通り、「家族の養護」とは、血のつながりのある両親ないしは近親者による養育のことなのです。
ところがれいわの政策は、これを歪め、里親や養子縁組は「最終手段」「短期間」の対象外だから推進してよい、と理解される誤った方向を示しています。換言すれば、れいわは、国連指針に反し、里親や養子縁組をするならば子供を家族から長期にわたり引き剥がして構わないと考えている、と理解されても致し方ありません。これは、国際人権規範に違反した政策です。
次にれいわは、「一時保護」について、2ヶ月超の「一時保護」より「さらに司法関与を強め公平な判断で一時保護を運用する改善を行います」と述べます。しかし、国連勧告が求める初回の「一時保護」に司法審査を求めるとは明言していません。この点は、司法関与に一応は言及したものの、初回にどうするかを曖昧にしている公明党の政策と類似の問題点があります。しかし、れいわは「運用を改善」というだけで、法的な適正手続の保障についてはふれていませんから、より問題が大きいと言えそうです。
れいわは、児童相談所について改革の提案も行なっています。すなわち、「虐待児童の保護を担う介入部門と、児童の支援を行う支援部門の明確な機能分化を行い、支援枠における専門職(児童福祉司や児童心理司など)の体制強化」を図る、そのうえで「慢性的に人員不足、専門性不足が問題となる児童相談所について、随時、財政的措置で支援する」などとしています。しかし、この案は、児相問題を抜本的に解決するでしょうか。児相の機能分化を図ってみたところで、同じ屋根の下で活動しているのですから、支援部門の情報は介入部門に筒抜けです。拉致強化のため介入部門の人員が少なくなれば、支援部門の人員が異動してくることも容易です。これは、ほとんど子供騙しで名ばかりの「改革」というほかありません。むしろ、このような欺瞞を隠れ蓑に、れいわも求めている児相の人員・予算がさらに膨らみ、児相拉致の投網が拡大することが、子育て中の全国のご家族にとって重大な問題だというべきです。
れいわの政策でさらに大きな問題は、「可能なケースにおいては、保護者との関係性修復・家族再統合…」「家庭復帰の可能性があるケースには、裁判所などの第三者機関が家庭復帰までの道筋を示し、支援」などと述べられていることです。「可能なケース」とは、誰がどのような基準で判断するのでしょうか。児相自身の判断と同じように、まったく不明確です。このような児相における恣意性が、今日の児相問題を大きくさせているという認識が、れいわにはあるのでしょうか? ちなみに、家族再統合を規定している児童福祉法48条の3には、再統合に関し「可能性があるケース」といった限定条件はついていません。れいわの政策は、現行の児童福祉法よりも後退しています。
「子どもオンブズパーソン」については、既に導入している自治体もあり、れいわの政策自体に特に新味はありません。問題は、つとに指摘されているように、このオンブズの中立性・第三者性が担保されていないことです。児相が任命したり、児童養護施設退所者を充てたりするのでは、オンブズと言いながら、結局児相の下請けを増やすだけです。むしろ、家族の法的代理人や医師が子供を診察する措置を導入し、子供たちを、「人工的孤児」状態の強制から解放してやることが必須でしょう。
このようなれいわの政策では、児相被害を受けた家族ではなく、児童相談所側に「国」がついていることになります。れいわには、児童相談所問題の根本が、「国」の側の利権追求と、子供を奪われた家族との対抗関係にある、という認識が全くないようです。これでは、児相被害者は、れいわの表向きの宣伝とは異なり、真っ先に政府から見捨てられることになりかねません。

まとめ

近年、児童相談所が加えるあまりに酷い人権侵害が次第に国際社会でも国内でも認識されるようになり、児相被害者を取り巻く情勢は、大きく変わってきました。2019年3月の国連子どもの権利委員会勧告、SBS事案での相次ぐ無罪判決、児相職員ならびに児童養護施設が相次ぎ惹き起こす猥褻事件とそれに対する批判、「人質児相」という児相における著しい人権侵害行政手法の暴露、これに直面した明石市の児相における改革の試み、など、変化の事実は枚挙に暇ありません。児相被害者には、追い風が吹いてきています。
しかし、各党の今回の総選挙政策をみると、こうした新たな情勢には各党ともほとんど関心を見せていません。れいわのように、後退した政党すらあります。各党は、児童相談所の性善性を信じ、福祉を提供する行政機関であると信じて疑わず、それが「社会的養護」と一体化し利権となっているとの認識は乏しいまま、予算、人員などでその拡張を唱えています。これは、各党の不勉強の故でしょうか、それとも既に存在する強い利権のしがらみで政策選択の自由度が無くなっているからでしょうか。このように児童相談所を子どもの権利を護る組織であるなどと実態からかけ離れた誤解のもとに甘やかし続けている結果、子どもや家族の人権が益々蹂躙されてきていることを、各党とももっとしっかり認識すべきです。
とはいえ、有権者が一票を投じなければ、政治は変わりません。児相問題も同じです。以上の評価を一つの参考に、児相被害者のご家族各位は、とくに政党名を書くことができる比例代表について、どの政党に投票すべきか、よく検討していただきたいものと思います。児相被害者のご家族が、各党の政策を比較検討し、自らの利益をよく考えた投票行動をとれば、それによって各党もより児相被害者に寄り添う政策を採り入れることになるでしょう。
また、街頭で選挙演説をしている候補者に話しかけ、児相問題について、家族の絆を維持する立場から、国際人権規範をふまえてもっと児相の人権侵害解決のため、真剣に取り組むよう求めるのも、たいへん有効です。
なお、今回の総選挙では、同時に、最高裁判所裁判官国民審査が行われます。近年、児相被害者がその蒙った児相被害について、国家賠償請求、人身保護請求、公法上の当事者訴訟、義務付け訴訟など、工夫を凝らし、様々の訴訟に及ぶ事案が増えています。しかし裁判所は、日本が批准しており、本来国内法を上回る規範性が憲法で定められているはずの子どもの権利条約・人権A、B規約等につき、それを法規範として扱いません。また、明らかに憲法違反な「人質児相」という自白強要などについても、これを憲法38条違反と判断しません。そして、児相被害者の上告を紙ペラ1枚で却下し続けています。このような不当判決を繰り返す最高裁裁判官を、国民が審査できるのです! きたる国民審査では、児相被害者は全員の裁判官に大きく×印をつけましょう!
総選挙は、児相被害者が国政や裁判所に意見を反映できる、憲法に保障された貴重な機会です。ぜひとも積極的に一票を活用しましょう!