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厚労省の利権拡張路線に乗り、明石に児相を作ったと自慢する泉房穂市長に、児相被害を抜本的に解決する意思は無し

すでに本NEWS欄で解説した、関西テレビ「報道ランナー」の「人質児相」を厳しく追及した8月6日の報道

人質児相だ!――マスメディアで高まる児相批判で暴露された、「子供第一」・「子育て充実」政策唱える児相派の欺瞞

に対し、明石市の泉房穂市長が、これを「検証する」と発言したとの続報が13日に流れました:
https://news.yahoo.co.jp/articles/e693f4ee05f5ddbd1433eae03317832c8f6c1b31

関西テレビの6日の報道がなされても、これを完全に無視して批判にこたえようともしない「兵庫県中央こども家庭センター」や山田不二子医師に比べれば、世論の批判に対応しようとする泉市長の姿勢は多少異なっているとはいえます。
しかし、その発言の中身を検討すると、残念ながら、泉市長が、今回の「報道ランナー」が指摘した「人質児相」という人権侵害を「明石こどもセンター」(児相)が冒すことを止め、児相を抜本的に改革しようとする意欲からは程遠いものでした。

厚労省が作成して児相に用いさせている「家庭復帰の適否を判断するためのチェックリスト
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv21/dl/01.pdf
の中には、保護者が「虐待の事実を認めていること」という項目(第9項)があり、厚労省は、いったん「一時保護」した子どもの親に虐待の自白を強要し、「冤罪」であっても認めなければ子供を返さない(家庭復帰させない)という人質児相の方針を積極的に指示しているのです。冤罪でも、本件のように、厚労省と結託した児相御用医師等を動員し、「100%の虐待」を児相は捏造します。つまり、「人質児相」問題を起こしている元凶は、はっきり厚労省にあるのです。議員や団体の中には、都道府県や一部市・区の児相は厚労省の指示を守らない行政をしているから児相問題が起こるのであって、厚労省に苦情や要望書を出せば問題は解決に向かう幻想を抱くむきもあるようですが、この考えは全く誤りです。

泉房穂市長

専門性の低さを市長自ら認めた市の児相職員を「一時保護」で明石市の家族に引き続き介入させることを宣言、明石の子どもたちの拉致や厚労省のチェックリストを用いた人質児相政策を止めるとは一言も言わない泉明石市長

泉市長は、「たとえ一時保護状態であったとしても、親子の関係性に対してもう少し関りを深めていくこととか、一定の支援策などがありえたのではないか」などと弱弱しく語るだけで、生物学的な親子には本源的に一緒に生活し、かつ自由で制限されない面会交流の権利があるという、子どもの権利条約第9条や、国連子どもの権利委員会2019年勧告第27項(a)のような、家族が固有にもつ基本的な国際人権法を尊重するという原則は全く明言していません。厚労省が国際人権法に背を向けて作成した「家庭復帰の適否を判断するためのチェックリスト」の使用を今後止めるとも約束していません。むしろ、「一時保護が遅れると、救われるべき子どもが救われない」などとさえ述べて、「明石こどもセンター」が引き続き明石市民のご家族に余計な介入を続ける意思を示したものといえるでしょう。明石市の子どもたちを軽微事案であっても拉致し、この「人質児相」を体現したチェックリストで「家庭復帰の適否」を判断し続けてゆく意図を強くにじませています。
しかもここで泉市長は、「報道ランナー」で才村教授がコメントした、児相職員の「専門性の向上」を受け売りし、「児童相談所の専門性を高めたい」とも発言しています。つまり、泉市長は、現在の「明石こどもセンター」の職員の専門性が低いことを事実上認めたわけですが、そのような明石市公務員に、これからも引き続き「こどもセンター」に勤務させ、家族に介入させ、「一時保護」業務に携わらせ、そして「チェックリスト」を使った人質児相行政を続けさせようというのです。いったいいつまでに、そしてどのように、才村教授がいうような、「救われるべき子ども」つまり凶悪事案と、児相が「一時保護」すべきでない子どもとをはっきりとわけて、凶悪事案のみ「保護」できるような「明石こどもセンター」にするというのでしょうか? 専門性向上の具体的なロードマップや期限を、泉市長が全く示さないのは、あまりに無責任です。児相に「拉致ノルマ」という強力な経済インセンティブが働く財政システムの現状では、実行は難しいというのが、正直なところでしょう。
そもそも、児相職員の「専門性を高める」とは、言うほど簡単なことではなく、的確な訓練によってはじめて可能となるのです。子ども一人の生涯を扱うのですから、本当は、国際人権法に依拠した、医師や弁護士に勝るとも劣らぬ長い訓練と厳格な試験が必要でしょう。明石市が「こどもを核としたまちづくり」の拠点にするという泉市長は、そもそも、子どもの権利条約や国連子どもの権利委員会勧告をきちんと読んだのでしょうか? このような国際人権法をきちんと明石市で実行しようとしているのでしょうか? 市長がこのようなおざなりな対応のまま、子育て政策の「拠点にする」とまで児相を持ち上げている現状では、明石市での育児は市民にとって恐ろしく、我が子を拉致されるリスクを常に伴うものというべきでしょう。現在の厚労省の児相行政のために、全国の子育て中のご家族はいまや、我が子を児相権力の拉致から予防し、家族の一体性を自己責任で護るため、最大限かつ細心の注意を払わなければならない状況におかれてしまっています。そのために、特に児相行政に熱心で、「一時保護」を積極的に進めようとする子育て危険自治体は、できるだけ避けなければなりません。

泉市長は、関西の中核市で初めて市立の児相を開設したと宣伝していますが、自治体が、国の方針=厚労省の子どもの権利条約や国連勧告を踏みにじった児相利権拡張路線に唯々諾々と乗って「子育てを核としたまちづくり」をしようとすれば、どのような帰結が生じるか、明石市の事例は貴重な教訓を与えてくれました。日本経済の高度成長期、国の新産業都市構想に乗った自治体が、公害問題や地域破壊を全国各地にふりまいたのと、構図がとても良く似ています。
すでに区立の児相を開設した世田谷区などでも、区立児相による人権侵害報告が当会に寄せられています。この児相被害ご家族は、保阪展人世田谷区長にたびたび文書を送っておられますが、全く無視されている状態です。保阪氏は、以前社民党代議士だった時、児童虐待防止法立法の立役者でした。こんどは区立の児相の最高責任者です。それが、人権侵害という帰結を生んでいるにも拘らず全く誠意ある対応をとろうとしないのですから、無責任にもほどがあります。
この点、都内23区で唯一、区立児相を作ろうとしない練馬区では、厚労省の児相政策に疑問を感じ、これまでの都や各地の児相の人権侵害について自覚する見識ある区議がおり、この問題点を詳細に検討しようとする区議主導の学習会が立ち上げられているようです。

自治体とは、国が作った方針や政策の枠組みを単に地域におろし、「××のまちづくり」などと綺麗ごとなコーティングを施して実行するだけの組織なのでしょうか。地域自治とは何かがまさにいま問われていることを、中核市となるや否や嬉々として児相を作った明石市の失敗が我々にはっきり示してくれました。