児童養護施設ボランティアの猥褻事件が暴露した施設経営の闇
児相併設収容所で職員が収容児童に加えている猥褻行為は、最近しばしば暴露されています。
ところが今度は、大阪府内の児童養護施設で、ボランティアで散髪をしていた兵庫県の理容師(40歳)が、小学生の女の子に強制猥褻の疑いで逮捕されました。
この男は、15年間にわたり、毎月1回大阪府内の児童養護施設にボランティアとして通って散髪をしており、髪を切った後は女児を自分の膝の上に座らせ、パンツの中に手を突っ込んで陰部を触り、胸を揉み、無理やり口にキスをした、といいます。被害は、複数の女の子に及んでいました。https://www.excite.co.jp/news/article/Gendai_605749/
児童相談所と同様、児童養護施設においても、小児性愛者による猥褻事件が度々起こっています。例えば、北九州市の児童養護施設に拘禁されている児童に児童に淫行させる行為や強制性交等などの行為をしたという施設職員は、福岡地裁小倉支部から、2019年12月3日、懲役8年の実刑判決を言い渡されました。
ここに、児童養護施設が抱える深い闇が横たわっていることを見抜く必要があります。
まず、児童養護施設には、児童一人当たり、月に40万近い血税が「措置費」として流れこんでいるのに、なぜ理容師ボランティアを外から呼んでくるのか? という素朴な疑問があります。これについて考えてみましょう:
- 児童養護施設は、児相が措置した児童を人身拘束しておく施設です。ですから、理髪店や美容室に行かせるため、子どもたちを外部に出したくないという理由はあるでしょう。子どもたちは、拘禁されていて動けないのです。ですから、理髪師を外から呼んでくるのです。
- では、なぜ通常の代価を払うサービスの提供ではなく、ボランティアなのでしょうか? 児童養護施設は、社会福祉法人が収益事業として経営しています。経営する社会福祉法人は、ボランティアで施設を運営しているわけではないのです。ホテルを経営する株式会社と同じです。収益事業ですから、コストを切り下げる経営努力をするのは株式会社と同じです。
ホテルは宣伝を打って客を集めなければなりませんが、児童養護施設には、児相が定期的に措置として子供を回してきます。東横インに、マッサージ師がボランティアで行くことはありません。ところが、児童養護施設は無償かそれに近い費用でボランティアを集められます。ですから、児童養護施設経営は、費用に拘らず毎月児童一人当たり定額の収入(措置費)があり、無償かそれに近いサービスを仕入れられるという、美味しく安定したビジネスなのです。
現実には、ボランティアという名のもとに幼児と関わりたいロリコンが多いのも実情でしょう。この逮捕された理容師は、その氷山の一角に過ぎないと考えるべきです。たまたま運が悪かっただけ、ということかもしれません。つまり、無償ボランティアの人材供給は、コンスタントに存在するのです。児童養護施設経営者は、子どもの権利に思いをいたし、この事件で、ロリコンかもしれないボランティアを活用をやめるのでしょうか? それとも、子どもがこれから先も猥褻被害に遭おうが遭うまいが、コスト切り下げのためには我関せずということでしょうか?
児童養護施設がこのようなビジネスモデルになったのは、厚労省の「児童虐待」キャンペーンを契機としています。戦争孤児がいなくなった1960年代から、施設業界団体は、積極的に「子どもを回せ」キャンペーンを張ってきました。それは、児相がリストラの危機に瀕した1980年代から、厚生省(当時)の関心を呼ぶようになり、「児童虐待」を理由に親から切り離された子どもたちで施設を満杯にするという状況ができあがってきたのです。そして、コスト切り下げのため、児童養護施設は、「困っている子どもたちのための福祉施設」という外見とイメージを利用して、ボランティアや寄附を誘い込みます。児童養護施設のホームページを見ると、ボランティア募集や自転車や寄附金の募集が目につきます。ランドセルを寄付した「タイガーマスク事件」も一時有名になりました。株式会社東横インに寄附する人はどこにいるでしょうか?
一般のイメージと異なり、児童養護施設に措置されているのは、貧しい家庭の子どもたちだけではありません。私立の進学校から拉致された子供も措置されています。このような子供は、何ヶ月も児相収容所に入れられ、義務教育の学校に通学することすら禁止されているため、勉強がおいつかなくなっています。
そしてその後、児相がこうした子どもたちも養護施設に送り込むのです。すると、ここでも「ボランティア」が勉強を教えてくれたりするようです。何歳のどんな学歴の輩かもわからない人物が、勉強を教えてくれる「ボランティア」・・・。そんな人に勉強を教えてもらうのですから、成績が上がるはずもなく、児童養護施設では発達遅滞が常態となります。その結果、国際人権団体のヒューマンライツウォッチの報告書『夢が持てない』は、退所後は「低収入の仕事にしか就けないこと、また、ホームレスになる危険性すら存在する」。それゆえ、「より大局的視点から言えば、施設での養護そのものが虐待といえるかもしれない。家庭での養育の機会を子どもから奪っているからである。家庭で育つことが子どもの発達と福祉にとっていかに重要かは多くの研究の示すところである」、と指摘しています。
児童養護施設のご飯はまずいといいます。何故まずいのでしょうか? それは、スーパーなどが「慈善事業」と思い込んで、厚労省の強力外郭団体である「社会福祉協議会」を仲介者として、「フードバンク」と称し児童養護施設にお下げ渡しした賞味期限間近、もう少しで「食品ロス」として廃棄されていたような食物を収容児童に与えているのが大きな理由でしょう。スーパーから来るときはわずかに賞味期限が残っていても、児童養護施設の倉庫に入っている間に、期限が切れてしまっているかもしれません。社会福祉法人の経営者は、勿論こんなものは食べません。食べるのは、子どもたちです。
要するに、「社会福祉」の美名のもとで、小児性愛者も交じり込んだボランティアを使いながら、児相に拉致されて送り込まれる子どもたちにスーパー売れ残りの食材を与え、発達遅滞の子どもたちを大量生産する見返りに、血税から利益を吸い取っている――これが、社会福祉法人の経営する児童養護施設のどす黒い実態なのです。ですから、国連子どもの権利委員会が、「迅速な子どもたちの脱施設化(prompt deinstitutionalization of children)」を勧告するのは当然です(第4,5回勧告29項(b))。そして日本国内でも、「1人に1億円以上かけて、ホームレスやワーキングプアを量産!? 児童養護施設をいますぐ止めるべき」という的を射た意見が出てきています:
その経営を維持するため、こういう悲惨な施設の実態には目を瞑って、児童相談所は子どもたちを毎日拉致し、そして、28条申立てを駆使して、子どもたちを児童養護施設に送り込んでいるのです。これは明らかに、子どもたちのためではなく、児相と社会福祉法人の利権維持のための厚労省行政です。
欧州では、児童養護施設がひとたびこのような事件を起こすと、行政から懲罰的な閉鎖命令が下ります。
しかし、猥褻事件を起こしたこの大阪府茨木市の児童養護施設を、厚労省は閉鎖する意思があるのでしょうか? 国連勧告の通り、迅速な脱施設化を実行する意思があるのでしょうか? これをしないとすれば、あまりに子どもたちを無視し、施設利権に甘い行政といわざるを得ません。
児童相談所だけではありません。それと一体化した児童養護施設の厚労省行政も、このように利権まみれで腐敗しているのです。
(注) この記事は、市民の方からいただいた告発情報をもとに、当会で構成したものです。当会では、このNEWS/最新情報欄の記事になる告発情報を常に求めておりますので、ぜひ奮ってお寄せください。なお、採否につきましては、当会にご一任いただきますので、ご了解願います。