壁にぶつかった厚労省の児相利権拡張: 拉致担当職員増員、目標の半分しか達成できず!
12月2日の『読売新聞』は、1面トップに、同紙の独自調査の結果として、厚労省が「児童虐待防止の緊急対策」と称して児相に児童福祉司(児相において現場で実際に「一時保護」等をになう「拉致担当職員」)1,155人の増員を今年度内に要求したが、その約半分の625人しか10月1日時点で実際には増員できておらず、調査対象70自治体のうち、20自治体は既に増員目標を年度内に満たすのをギブアップ、24自治体も満たせるかどうか心もとない状態にあって、過半の自治体に増員未達リスクがある、という重大な事実を報道しました。年度内に増員分を確保できない自治体には、東京、埼玉、大阪などの大都市が目立っているといいます。
その理由は、年度途中だからといった生易しいものではありません。年度途中でも、児童相談所が魅力的な職場ならば、転職して採用されたい人も大勢押しかけるはずだからです。ところが、結果は、大幅な採用の不足でした。そこには、児相問題を作り出しているのと同じ構造的な理由が深く根を下ろしているとみるべきです。
情報化社会の現代、ネットや書籍などを通じて、児相の拉致担当現場職員の労働にかかわる問題が、いまや広く世間に知れ渡るようになってきています。それは、大きく3点に整理できます:
第一に、児相に就職したら、拉致担当職員は、ブラック企業並みに尻を叩かれ、コキ使われて、疲弊します。この労働環境は、労働問題を専門にする雑誌の筆者が発信したニュースでも、大きく取り上げられています:
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20190210-00114245/
このサイトの記事がいう、児相への「あまりにも相談が膨大になり(ただし、本当の虐待が増えているのかは誰にもわからない)、その対応に職員が追われている、という実態」は、大きく間違ってはいないでしょう。しかし問題は、なぜこのように相談が膨大になってきたのか、ということです。「児童虐待」という言説は、障碍児などと異なり、上野加代子氏(東京女子大)が指摘する通り、社会的に構築されたものです。構築の主体は、言うまでもなく国家権力=厚労省です。すなわち、189の電話番号を設置し、オレンジリボンキャンペーンをはり、子どもの前で夫婦喧嘩しただけでも「心理的虐待」、保健師に育児の悩みを相談すれば「特定妊婦」というように次々と「虐待」の定義を拡張して、何でも虐待にしてしまったのです。そこに「拉致ノルマ」という強い金銭的インセンティブが存在することは、国連にまで知られています。
第二に、次々と児童虐待の定義を拡張すれば、児虐利権という厚労省の省益が拡大します。拡張された「虐待」の定義を口実に、拉致担当職員はますます多くの子どもたちを家族から引き剥がす強権をふるい、厚労省や自民党とうるわしい利権の共同体を形成している児童養護施設業界(社会福祉法人)団体
http://www.zenyokyo.gr.jp/comm/no237.pdf
に「施設措置」して子どもを引き渡します。こうなればやがて、もっと児童養護施設を増設せよ、という要求が現実味を帯び、ますます自民党などと癒着した養護施設業界団体の利権が拡張します。児相職員が疲弊している背景には、こういう子どもをエサにした利権ビジネス拡大をめざす構造があるのです。その利権を拡大する最前線に立つのが、今厚労省が盛んに募集をかけている児相の児童福祉司(拉致担当職員)なのです。
このような強権を振り回し、他人の家庭に泥靴で踏み入ってそれを破壊する行為が精神的に耐えられない人も多いでしょう。もちろん、辛い仕事であっても、かつての灯台守のように世のため人のためになる仕事ならば、誰かがやらないといけません。しかし、この児童「福祉」司がやっている「一時保護」は、司法審査もなく、親の意見も聞かず、明確な基準もなく、最後の手段ともされていない…という、国連子どもの権利条約に何重もの違反をしている、まさに「中世的」な制度なのです。そしてこの3月、これに対して国連子どもの権利委員会がついに厳しい勧告を発しました。その、27から29項をご覧ください:
児童「福祉」司の業務は、灯台守などとは違って、それに何の大義名分もないどころか、非人道的な人権蹂躙の行為だということを、国際社会がはっきり指摘したのです。これにより、このような仕事を志望しないことこそ人の道にかなっているという事実を、次第に市民が認識するようになってきたと考えられます。
第三に、児童「福祉」司は、難しい試験や厳しい研修を経なければなれない医師や弁護士と違って、わずか数日のおざなりな研修だけで誰でもその「資格」を得ることができます。職業に専門性は全くありません。こんな研修だけで得られる「資格」をもとに強権を振り回す仕事についてみたところで、医師や弁護士のように社会から尊敬されることはまず絶対にあり得ません。下手をすると、逆にご親戚やお友達などから「国営の人さらいなんかになって!」と後ろ指をさされるようになるだけです。そして、素人同然の児童福祉司が強権を振り回して市民の人権を侵害している事実を指摘した、こういうブログがますますネット上に拡散し、社会的にも実名入りで厳しく指弾されます:
考えてみてください。世間には、もっと社会的に尊敬される仕事がいくらでもあるのではないですか?
すると、このような職種で大量の募集をかけても、応募してくるのは、ネットで広まっている情報をよく知らず、厚労省や自治体の「大本営発表」だけを愚直に信じるような情弱の人だけになってきます。
それでも、半分も募集定員が埋まらないというのは異常事態ですから、厚労省は無理やりにでも「採用ノルマ」を満たそうとするでしょう。そうなれば、応募してくる人はもうだれでも事実上選考なしで採用という全入状態にならざるを得ません。こうして、採用者の中に、素人同然というにとどまらず、小児性愛者や、他人を虐げて快感を覚える他虐性の精神的性向をもちつつ児童拉致・拘禁を担当して公務員の俸給をもらうという「趣味と実益を兼ねた」職員が大量に紛れ込むことになるでしょう。こうして、児童相談所はますます真の児童福祉から無縁の存在となり、児相内での人権侵害がますます激化して、さらに強い国際的批判を受けるようになることは必至です。
児相行政に対する厳しい国連勧告に引き続き厚労省を襲った、児相・児童養護施設の利権のために子供を拉致してくる最前線に立つ職員募集の大幅な未達――厚労省の児相利権ビジネス拡大による省益拡大路線は、いまや大きな壁にぶつかったと言わざるを得ません。市民の見えざる力が、とうとう、国連勧告に違反した厚労省の人権蹂躙行政に歯止めをかけ始めたのです。