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生活保護「水際作戦」と社会的養護利権との麗しき共同: 赤貧の母子家庭から母を慕う子を奪い、面会禁止で自殺に追い込んだ広島県西部児相の鬼畜行政

広島県西部こども家庭センター内山偉文所長、以下、広島西部児相といいます)が「一時保護」と称して人身拘束をしていた10代の子供が、2020年10月31日に、「保護委託」先の県内の児童養護施設で自殺しました。
この子供は、児相に拉致された際、「母と離れたくない、…センターに行きたくない」と述べ、涙を流して「母との面会を何度も希望して」いました(p.6。以下ページ数は、「検証報告書」のもの)。貧しいながらも、一生懸命育ててくれた母親を、この子は心から慕っていたのです。ところが、広島西部児相は、この子を母親から切り離して施設送りにしようとし、そのため母親にこの子への面会を禁止していました。児童相談所が、家族の絆を破壊し、なんとしてでも「社会的養護」を称する利権集団へと子どもを取り込もうとする「取児口」の機能を果たしている事実を、如実に示しています。
その毒牙にかかり、親に会えず絶望し、ついに自死を選んだこの子供。その自室には、遺書とみられるメモが残されていました。しかし、児相に不都合なことが書かれていたのかどうか、広島県は現在までこのメモを隠蔽したままです。

児相関係者で委員を固め、担当児相職員の責任を追及しない「検証報告書」

広島県は、この事案につき、2021年4月、「児童死亡事案に関する検証報告書」を公表しました。
この報告書を作成した「一時保護児童の死亡事案に関する検証会議」は、那須寛弁護士を委員長とし、全部で6人の委員から構成されました。那須弁護士は、2017年から18年まで広島市児童相談所の元児相弁でした。委員の一人、鈴木博之立正大学教授は、1995年から2019年3月まで、24年間にわたり神奈川県の児相職員を務めていました。また、松田文雄医師は、衆議院の厚生労働委員会に参考人として出席し、「児童相談所など関係諸機関との連携」のもとに活動してきた精神科医師です。加えて、委員のうち2人は、広島県健康福祉局の公務員です。このように、委員会は、ほとんどすべてが児相側のメンバーで固められており、児相被害者側の委員は一人もいません。こうした委員会の構成で第三者としての公正な報告書がまとめられるのでしょうか。
そもそもこの報告書は、はじめから「検証にあたっての視点」として、「特定の担当職員の対応が適切であったかという責任を追及する趣旨ではない」(p.5)とし、内山児相長ならびに担当児相職員の責任を免罪する姿勢をとりました。全国各地の児相において、専門性が乏しい児相職員が児童や家族に横暴な人権侵害やハラスメント的言動を加える行為が横行していることは既に広く知られています。それゆえ、児童相談所が一人の子どもを死に追いやった本件においてこの点はどうだったのか、内山児相長の責任と担当児相職員の人権上の資質が当然に精査されてしかるべきでした。検証会議がこの点の検証を最初から排除したことは、児相職員の違法な人権侵害行為を検証委員会が不問に付すも同然であり、これは類似の事案が児相において今後再発するリスクを高めるというほかありません。

「水際作戦」で生活保護を受けられないご家族の子供を、拉致ノルマ達成目指す児相が拉致

本件で広島西部児相がこの児童を人身拘束したことにより破壊されたご家族は、母親と2人暮らしのご家庭で「経済的な問題が著しく、電気やガスといったライフラインが停止しており、トイレも使用できない」(p.4)という赤貧の生活でした。それでも、この母親は懸命に生活を続けようとし、また子供は、そうして一生懸命自分を育ててくれている母親を慕っていたのです。貧しくとも、そこにはしっかりとした家族の愛がありました
当然、このご家族には生活保護の手が差し伸べられるべきでしたが、母親が「調査に協力をしなかった」(p.14)等の理由から、広島市は生活保護申請を却下していました。この母親が調査に協力しなかったのは、市が男性調査員を派遣し、母親は「男性に対し恐怖を感じ、配慮を求めてい」たからです。そうであれば、市は調査員を女性に変更すべきでしたが、変更はなされませんでした。母親が恐怖を感じる調査員を派遣すれば、ご家族から調査に協力が得られないのは当然です。
生活保護には利権のバックが無いこと、福祉リストラという新自由主義の流れの中で、支給を絞るため「水際作戦」と呼ばれる抑制策がとられていることはよく知られています。

Screenshot of diamond.jp

あえて母親が嫌う男性調査員を嫌がらせ的に派遣し続けた広島市は、それにより生活保護を支給しないですませようとする「水際作戦」を実行していた疑いが濃厚です。
他方、児童養護施設業界は政権与党と癒着した強い利権のバックをもち、児童相談所には、国連子供の権利委員会が2019年の対日総括所見で疑惑を示した児童の人身拘束にむけた強い経済的インセンティブがあります。こちらは、東洋型のネオリベラリズムの下で、利権強化が進んでいるのです。
この両者がタッグを組めば、生活相談に訪れた貧困家族を獲物にそこから子供を拉致し、生活保護を支給せず、家族の経済問題を解決しないまま児童養護施設に子供を流し込んで施設定員を満たすという、似非福祉の利権システムが完成します。

生活保護を受給すべき家族から児相が子供を引きはがす行為は、経済的困窮への自責の念や、貧困がもたらす親の無力感に付け込んで、児相の親子分離による家族破壊が成功しやすいのです。また、貧困家庭の親のなかには、「貧しい我が家より我が子は施設で生活する方が子どもにとって幸せだ」と自分に言い聞かせ、我が子を拉致されても諦める傾向がみられるといいます。さらに、親から子供の返還要求が出た場合、児相は「では、経済状況は改善したのですか?」と反論してさらに人身拘束を継続できます。このため、自治体が生活保護支給を抑制する「水際作戦」により生活保護申請を却下されたご家族が相談に来れば、それは児相にとって、鴨が葱を背負って来る美味しい状況となるのです。
つまり、この広島西部児相の事件は、東洋型ネオリベラリズムが産んだ人権侵害の典型なのです。
生活保護「水際作戦」をとる自治体と拉致ノルマ達成を目指す児相との麗しき共同は、各地で知られています。茨城県取手市で起こった類似の事案は、当会とは別の児相被害者団体によって既に国連人権委員会に既に告発がなされました。
このような状況がありますから、シングルマザーの特に貧しいご家庭は、児童相談所に相談に絶対に行ってはいけません。この警告は、既に児相被害者団体から動画で発せられています:

しかし残念なことに、このご家族はその情報を知らなかったのでしょう。うっかり「子ども家庭センター」に出かけてしまいました。そして、我が子が「一時保護」と称して拘禁され、家族が破壊され、そして母を慕う我が子が自殺するという最悪の人権侵害を蒙ったのです。
貧困問題を、子供の親からの引きはがしによって「解決」するという、とんでもなく的外れで非道な決定を平然と行ない、28条審判で恒久的な家族破壊を図った、広島西部児相の内山偉文児相長が、本事件の最高責任者として厳しく追及されねばなりません。しかし、検証会議は、これをはじめから問題にしようとしていません。

方向性が定まらず、欺瞞も含む検証会議の母子面会禁止に対する姿勢

広島西部児相は、赤貧に苦しむご家族が、やむにやまれず2020年4月10日に広島西部子ども家庭センターの女性相談部門に相談に訪れると、母子を所内で保護し、20日には母親だけ帰宅を許しました。子供はそのまま児相収容所に拘禁し、母親から何の罪もないこのお子様を奪い去りました。
この子は、「母親と離れたくない」と涙ながらに繰り返し訴えていました。これを広島西部児相が冷たく拒絶し、面会禁止を続けたことが、このお子さんが悲しい自殺を遂げた直接の原因です。
広島西部児相は、28条申立てなど家事紛争中は、子供と「保護者との面会を基本的に認めないという運用」しています(p.8)。この運用は、全国の児相で遍く行われており、厚労省の裏からの指導であることが強く疑われます。
本報告書は、その理由を「子どもへの配慮であり,親との面会で子どもが板挟みになってしまうこと等を考慮しての判断である」「児童相談所と対峙している保護者との交流を通じて,自分が一時保護所で生活をしていることに強い自責感を持ち,不安感が高まるなどし,精神的に不安定になる」などとお為ごかしを並べ立てて正当化を図っていますが、この子は、親と面会できないことにより著しく精神的不安定を昂じさせ、自殺にまで立ち至ったのですから、これは誤った行政行為の正統化にほかならず、状況は全くの正反対でした。
28条申立てなどで児相が親と対峙した際に児相が親子の面会を禁止する真の理由は、人身拘束した児童と児相・施設職員との間に「ストックホルム症候群」と呼ばれる親密な心理関係を作り出し、子供の感情を家族から切り離して、児相が行なう28条申立てを児相側有利に運ぼうとするところにあるというべきです。第4,5回の国連子どもの権利委員会審査に、子ども人権団体「子どもの権利条約日本」が提出した子ども報告書20ページには、埼玉県の児相が「私に『母は何もしてくれない』と思わせ、私が母を嫌いになるよう仕向けた」との告発があります。面会を許していたのでは、児相はこのような心理工作を子供に対して加えられません。つまり、面会禁止はあくまで児相行政の利益であって、児童の最善の利益のためではないのです。この自殺した子供にも、当然そのような心理工作が加えられたでしょうが、それでも母親を慕うこの子供の気持ちが萎えることはありませんでした。家族の絆をしっかり自覚した、尊敬に値する心構えの素晴らしい子供でした。心よりご冥福を祈ります。

さしもの報告書も、この点は問題にせざるを得ず、「本児が母と面会することにより、本児を著しく不安定にさせるような合理的理由があるとまではいえない」(p.8)と述べています。そして、子供の権利条約9条3項を引用し、「28条申立て中であっても、子供の最善の利益に反する場合でなければ、保護者と直接面会できるようにする必要がある。面会通信制限をする場合には、真に子どもの最善の利益のためになっているかを個別具体的に検討する必要がある」(p.8)、「親子が分離されていても子どもには保護者と面会する権利がある」(p.9)と述べ、面会通信の原則許可、例外禁止の原則を示しています。つまり、これまでの児相との対抗関係にあるご家族の子供を親に一切面会させない児相行政は誤っていたことを、検証会議が認めたことになります。
ただし、本報告書は同時に、任意の協力によって成り立つ指導ではなく、面会通信を強制的に行う場合には「行政処分に拠る面会通信制限」(p.9)を行なうべきであるとし、その一方で児相が一層強権的な親子分離を行なうよう提言しています。
また本報告書は、8月6日の判定会議において「10月初旬には28条申立ての審判が下されると見込んでおり、それまでの機関であれば、母と面会できなくても本児の理解は得られると考えていた」(p.10)などと述べて、広島県西部児相の誤りが些少であったイメージを作ることに腐心しています。では、広島児相は、28条審判が下され、施設措置が認容されれば、自由に母子に面会させるつもりだったのでしょうか? 報告書は「母が施設入所に同意するまでは面会できない」(p.8)と子供に伝えていたのですから、28条審判で施設送りにすれば、永遠に面会させないつもりだった可能性もあります。これは、明石市の事案でいまや悪名が轟く「人質児相」行政です。ところが報告書は、「人質児相」行政の責任については全く問わず、あたかもこの子が母親と会えないのはごく短期であるとする印象を読む者に与える書きぶりになっています。欺瞞というほかありません。

カネ儲け本位の児童養護施設、人権無視で児相いいなりの児相弁

更に本報告書は、この子に必要な心理的ケアが提供されなかった理由として、広島西部児相が委託先の児童養護「施設に遠慮した要因には,一時保護委託の場合には正式入所に比べて本件施設に支払われる費用が少ない」(pp.12-13)ことを挙げています。これは、児童養護施設が、真の慈善事業としてではなく、カネ目当てに経営されていることを雄弁に立証するものです。このようなソーシャルビジネス的な児童養護施設経営の在り方が、この子に対する適切な心理的ケアなど、真の福祉供与に大きな障害をつくりだしたことは明らかです。

2020年4月20日に母親から引き離されたこの子供について、広島西部児相は、本年6月4日に施設に入所させることを決めて家族破壊の恒久化を図りました。しかしどうしても我が子と一緒に暮らしたい母親は、この児相の決定に同意することを拒否しました。このため児相は、同月18日に、広島家庭裁判所に児童福祉施設入所認容を求めて28条審判を申立てました。
広島西部児相には、山地美智子という弁護士が「法務専門員」として勤務しており、この弁護士が児相の代理人としてこの子を施設措置する審判の申立てを行なったものと思われます。弁護士は、家族の絆の重要性も、子供の気持ちも理解できず、児相の言いなりに人倫に外れた施設措置申立を強行し、この子の自殺を導いたことになります。日弁連がプロモートしてきた児相弁(児相に配属された弁護士)が一体誰のため存在しているのか、本当に子どもの権利を守る立場にいるのか、改めて厳しく問われなくてはなりません。

これでは再発を防げない、既存政策の宣伝に堕した報告書の「再発防止策」

東日本大震災の津波で児童74人の命が奪われた宮城県石巻市立大川小学校の政府側検証には、再発防止策と称して、当時文部科学省が構想していた政策が多数ちりばめられました。事件が起こると、犠牲者を踏み台にして省益を拡大しようというのが、官僚のおきまり手口なのです。この事件の検証会議もまた、国連子どもの権利委員会から厳しい勧告を受けた児相行政の人権侵害を根底から反省し問題を抉り出すことなく、これまで児童相談所や児童養護施設について、人員不足、業務の膨大さ、専門性の向上、他機関との連携や「専門家」と称する人々のサポートといった、すでに言い古された厚労省の政策課題を本自殺事案の「解決策」として報告書の随所にちりばめ、繰り返しています。

「再発防止に向けた提言」の一つとして挙げられている「子どもに寄り添い,子どもの意見を代弁する『アドボケイト』の制度(子ども権利擁護システム)を計画的に導入すること」(p.19)にしても、このアドボケイトを担う者の人選が児童相談所やその息のかかったNPOによって行われ、しかも社会的養護経験者の非正規雇用というのであれば、当然に児童相談所の利害の方向にバイアスのかかった「代弁」となり、例えばこの子のように、お家に帰りたい、お母さんに会いたいと訴えれば、かえってそれを断念させる方向にアドボケイトから説得が加えられることになりかねません。その証拠に、本報告書で、2021年2月26日に「母へのヒアリングを実施」(p.2)したとなっているのに、母親の意見は本報告書の中に全く登場しません。大川小学校の事件で、石巻市の指導主事が、行政に都合の悪い事を書いてあるメモをすべて廃棄したように、児相の見解と異なるものは、無視され棄てられるのです。この状況からすれば、子供の意見を聴くことの意義はあるとしても、国際人権法や国連勧告に則って子供と生物学的家族の権利を保障するしっかりとした制度をきちんと設計し誠実に実行することであることがわかります。「アドボケイト制度」なるものによって聞き取られた子どもの意見なるものが児相行政によって恣意的に曲げられ、逆に児相行政の正統化に利用されることが強く危惧されます。
国連子どもの権利委員会は、2019年3月に発出した総括所見28項(e)において、「施設に措置された児童が生物学的親との接触を維持する権利を剥奪されていること」に深刻な懸念を示しました。広島西部児相にこの国連勧告を遵守する意思があれば、この子の命は救えたのです。ところが広島西部児相は、この子が命を懸けて訴えた、国際人権規範で認められている生物学的家族の絆の尊さをまるで無視し、このかけがえない命を踏み台にして、自分たちの「社会的養護」利権の拡張を恥知らずにも要求し続けているのです。
このような行政の姿勢では、これからも児相における子どもの悲惨な自殺事件が再発することは、必定というべきでしょう。

児童相談所が子供の自殺を導いた事案は、2018年に愛知県でも

実は、児相に拘禁された子どもの自殺事件は、今回が初めてではありません。2018年1月に、既に愛知県で起こっています。
愛知県西三河児童・障害者相談センター(岡崎市、古田学所長、以下西三河児相といいます)の付設収容所(一時保護所)で、家出して深夜徘徊中に自転車を盗んだとして警察により補導され、そのまま児相収容所に人身拘束された豊橋市の少年(当時16)が自殺しました。愛知県が作成し、同年5月18日に発表された検証報告書によれば、児相職員が、面接中に「少年院に行く場合もある」などと、不適切な言葉を吐いていたといいます。これにより、精神的に不安定だった少年がショックを受け、自殺につながった可能性がある、と指摘されています。
この少年は、心肺停止状態で見つかる約1時間10分前に、遺書と思われる家族宛ての手紙を職員に託していたことが、『毎日新聞』記者の関係者への取材により明らかとなりました(2018年3月25日付中部朝刊)。ところが愛知県は、記者会見で手紙の存在を公表しませんでした。しかも児相の永田達夫保護課長は、「公表した」と虚偽の説明をご遺族に行なっていました。児相の捏造・隠蔽体質は、ここにも表れています。
ご遺族は、児相設置者である愛知県の行政に、強い不信感を抱くようになったのも当然です。
(愛知県の事件報道については、こちらのサイトにまとめられています。)

いずれの事件においても、子供たちが児相による人身拘束中に自殺をしたことにより、事件が明るみに出ました。
はっきりしているのは、もしこの子供たちが児相に人身拘束されなければ、僅か10年足らずでこの世から去る必要は全く無かった、という事実です。これらは、厚労省=児相という国家権力による子供たちの殺人とさえいうことのできる事案です。
そして、自らの命を絶つまでいかずとも、児相による親子の絆の破壊によって、今日も明日も、児相収容所や児童養護施設において、国家権力による人身拘束で苦しみ、また発達権侵害などを蒙っている子どもたちが多数いることを、私たちは忘れないようにしましょう。