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🎍新年のご挨拶 2020 

明けましておめでとうございます  2020年元旦

昨年は、児相被害者にとって、そして当会にとって、大きな飛躍となる重要な成果をかちとった一年でした。
何と言っても、2017年から足掛け3年にわたり行われた国連子どもの権利委員会の第4,5回審査に当会がとりくみ、日本の児相被害の実態を委員会に告発した結果、国連委員会が、児相行政に関し、その人権侵害を厳しく指摘し、それを改めるための具体的な勧告を27~29項において多数発出したことです。うち、29項は、緊急勧告に指定されました。
国連をはじめ、人権を真剣に考える国際社会が児相被害者の味方をしてくれることがはっきりした2010年及び2019年の国連勧告は、子どもの権利条約の遵守義務を厚労省が懈怠していたことを立証しています。国連は、これらの勧告を、1994年に日本が批准した子どもの権利条約を遵守する義務を日本政府に意識させるために出したのです。条約の条文は一般的で世界共通であり、各締約国に固有なことまでこまごまと書いてあるわけではありません。そこで、厚労省として本来は、条約を個別国におろして、条約の遵守を児相に促す通達類こそ発出すべきでした。ところが、厚労省はこれと正反対のことばかりやってきたため、国連子どもの権利委員会はみかねて、条約の考え方をふまえて日本における子どもの権利条約上の問題を特定し、一時保護所問題・経済的インセンティブなど日本に特有の問題をとらえて判断し、条約の観点から厚労省の児相行政における条約違反を摘示したのです。
残念ながら、日弁連「子どもの権利 [=実は、児相の権利] 委員会」や日本の自称「子どもの人権」活動家などは、この国連勧告にきわめて冷淡な姿勢を示しています。しかし、今後、裁判などで、この勧告は否が応でも重要性を持ってこざるを得ません。なにしろ、児相被害者の勝手な考えと従来思われていたものが、グローバルな国際社会の考えになったからです。それゆえ、このたびの勧告をどうとらえるかは、今後、日弁連や自称人権諸団体等がどの程度国際人権規範に沿った考えをしているかを確かめる試金石となるでしょう。

ご承知の通り、大みそかの日本に、元日産会長カルロスゴーン氏のレバノンへの出国のニュースが轟きました。ゴーン元会長が日産で何をやったかについて、当会は何もコメントする立場になく、ゴーン氏の行為を無条件で擁護するものではもちろんありません。しかし、ゴーン氏がレバノンに到着直後に出した声明で「rigged Japanese justice system where guilt is presumed, discrimination is rampant, and basic human rights are denied in flagrant disregard of Japan’s legal obligations under international law and treaties it is bound to uphold. (日本の司法制度は、国際法・条約下における自国の法的義務を著しく無視しており、有罪が前提で、差別が横行し、基本的人権が否定されています.=朝日新聞訳)」と指摘した点は、児相被害者として強く共鳴できます。厚労省・児相の著しい子どもの権利条約無視、そして2008年に起こった、日本の最高裁で施設措置を認容された母子がオランダに亡命しオランダの裁判所で見事に家族の再統合を勝ち取った、オランダ母子亡命事件が想起されます。
このことについて、日弁連刑事法制委員会委員をつとめる野田隼人弁護士は、「ゴーン氏についてヨーロッパを中心に不正な逃亡ではなく日本の遅れた刑事司法からの正当な脱出としての論陣が張られ」、とりわけ「奥さんと会うことを制限する保釈条件」は、欧州を中心とした対日人権批判に効果を発揮しそうだとツィートしています。国際人権規範に基けば、今児相も強行している家族の絆の国家権力による破壊は、あらゆる手段を講じてもダメな時に限り、最後にしか行ってはならないことなのです。また、海渡雄一弁護士は「ゴーン事件で問われた、日本国民全体への人権侵害」を指摘しています。この「日本国民全体」の中には、勿論児相被害者も含まれるでしょう:
https://webronza.asahi.com/national/articles/2019030700002.html?page=1

本年10月には、自由権条約に基づく国連人権委員会の日本に対する審査がジュネーブで開催されます。ゴーンの妻などは、日本の司法が基本的人権を蹂躙している事実を、国連の人権関係委員会に告発し続けてきました。ゴーン氏の事件により、日本の国家権力の司法・行政システムがもつ中世的人権状況に対する批判が、国連の人権関係委員会等において、ますます国際社会の目にさらされていくにちがいありません。
当会は、本年夏、この国連人権委員会に、厚労省・児相・児童養護施設による重大な人権侵害について告発する代替報告書を提出する予定です。厚労省・児相・児童養護施設が束になった、事前司法審査等の無い利権目当ての「子供狩り」、その後の長期にわたる面会禁止、子どもを人質にとった「虐待」の自白強要、そして事実上児相申立にメクラ判な家裁の28条審理など、刑事司法と同じ条約違反の日本の基本的人権無視――これが、国際社会から厳しい指弾を受け、昨年の国連子どもの権利委員会にも増してさらに強い勧告が発出されるよう、当会は本年もますます頑張る予定です。
2020年も、全国児相被害者の皆様、そして国際的人権と正義を日本に求める市民の皆様とともに、しっかり闘いの歩をすすめていきましょう!