9月3日
 紗那/クリリスク〜オホーツク航海
 

8時に起床して甲板に出ると、私たちの船はすでにナヨカ/キトブィ湾に停泊していた。船の周りには12隻の船がいた。隣接して停泊している小さな船へ荷物を移し変えているところだった。海はおだやかで船は時々揺れるものの風もほとんどない。気温は15度くらいだろうか。

択捉/イトゥルップ島の山々は雲がかり、行きの時のように山々全体を見渡すことはできない。昨日、国後/クナシルから色丹/シコタンへ行く途中ではイルカやエトピリカ(鳥類)を見ることができたが、今日は1,2羽の海鳥が見えるのみである。

  午前中は成様へのインタビューがあり、紗那/クリリスクをみわたす船の甲板で、成様の樺太/サハリンでの暮らし、社会主義時代と市場経済になった現在との比較について、さまざまなお話をうかがうことができた。大変ためになったそのお話の内容は、ホームページの各所に活用させていただいている。
 お話の後、船から煙が出始めた。そろそろ出航のような気配になってきたようだ。

午後12時半に択捉/イトゥルップ島へ下船する人のために、海上で艀がこの船に隣接し、両船を結ぶ梯子が渡された。

午後1時に昼食をとる。今日は肉団子、スープ、ソバの実、パン、果汁ジュースだった。ここで船内で会話した人からギドロストロイ製のイクラをいただいたので、みんなで食することにした。パンにつけて食べるととてもおいしかった。しかし数人は、気屯/スミルヌイフで食べたサラダのイクラであたったのではないかという疑いが心にひっかかっていたようで、とうとう手をつけなかった。

船は煙を出したまま、予定の時刻になってもまだ出航しない。荷扱いが終わっていないのだろうか。

午後3時45分になって、やっと出航。その後、みんなで甲板に出て、水平線いっぱいに広がる、択捉/イドゥルップ島の全景を、思い思いに眺めていた。次にこの景色を眺められるのは、いつだろうか。
 夕食は、マカロニ、鶏肉、キャベツとにんじんのピリカら野菜炒めだった。ロシアでピリカらなものを食べられて、少しめずらしい感じがした。

(枡田恵子)

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